学校訪問 - 第2回 家庭的な学習環境で、伝統に裏打ちされた、
鍛える語学学習を実践するカリタス女子短期大学

今回は横浜市あざみ野にあるカリタス女子短期大学を訪れた。その理由は次のような次第である。バレエ公演でソロを踊っていたある中央大学の女子学生と話す機会があって、母校の名前を問うと、その学生は「カリ短なんです。」と言い、「カリタス女子短期大学のことです。」と誇らし気に言い直した。普通、母校の名前を聞かれたら、所属している中央大学と答えるか、高校名をあげるはずである。不思議に思いもっと話を聞くと、バレエ関係でフランス語を勉強したかったが、4年制女子大学では身につかないと考え、カリタス女子短大に入学し、卒業して中央大学文学部の仏文専攻3年次に編入したとのこと。また、体も弱く、入学時に仏語初心者の彼女が、短大の勉強だけで卒業時に仏検定準2級を取ったこと、教授陣や事務・食堂・図書室のスタッフから励まされたことなどを熱く語った。そのような学校を訪ねてみたくなり、学校訪問研究会の了解を得て取材した。

東急田園都市線あざみ野駅で降りて5〜7分ほど歩くと緑に囲まれた赤いタイル壁の建物が左手に見えてくる。瀟洒なこじんまりした学校の趣きである。事務長と言語文化学科の稲葉先生が取材に応じてくれた。簡単にまとめると、この学校は、ケベック・カリタス修道女会が母体となり、幼・小・中・高校開設後に川崎の多摩に開学された。図書館での稲葉先生図書館での稲葉先生あざみ野に移転した現在、言語文化学科は、英語・英語圏、仏語・仏語圏、現代コミュニケーション、社会文化システムの4コースに分かれている。就職先が充実しているのはもちろん、4年制大学への編入も多く、お茶の水女子大、上智大、青山学院大、学習院大、中央大、明治大、明治学院大、東京女子大など多岐にわたっている。また、留学も充実していて、提携校への長期留学だけでなく、短期留学も学校が責任をもって展開していて、学生にとって貴重な体験の機会となっている。

緑に囲まれたカフェテリア緑に囲まれたカフェテリア構内を稲葉先生に案内していただいた。落ち着いた雰囲気の図書館では、入り口左手に海外の雑誌が整然と置かれ、奥に稲葉先生を含め各コースの先生方が選んだ書籍が並んでいる。言語学科なので、語学関係や洋書が多いが、それだけでなく歴史・文化・社会などの日本語で書かれた基本書や新刊書も並んでいる。その充実度は、他大学に編入した卒業生が頻繁に訪れることからも伺われる。また、司書の石田さんは、学生にとって課題やレポートに必要な書籍を選ぶ際の強力な助っ人的な存在なのだそうだ。

体育館の観客席体育館の観客席 個人ロッカー個人ロッカー 学食も学生に人気がある。程よいデザインの椅子とガラス越しの外の緑がこの空間の質を高めている。とにもかくにも手作りで美味しいそうだ。上述した学生も、安価でこれ程美味しい学食は他にはないという。写真には学生はいないが、そこからはアットホームな雰囲気と評判の良い食事が目に浮かぶ。

観客席を設けた体育館(09年テレビドラマの撮影に使用)、落ち着いた雰囲気のある聖堂、情報関係の各教室なども充実している。各自に与えられるロッカーも十二分に活用されているとのこと、各施設はこの学校ならではの工夫がなされ、それがこの学校全体の家庭的な学習環境を整えるとともに、学生相互間や職員との結びつきを一層高めている。

取材を終えての帰り際、玄関に飾られた修道会創設者である「マルグリット・デュービル」の肖像画がイコンのように高い精神性と温かさをもって、我々を見送っているように感じられた。


カリタス女子短期大学

ホームページ:http://www.caritas.ac.jp
〒225-0011 神奈川県横浜市青葉区あざみ野2-29-1

著者プロフィール

学校訪問研究会

訪問対象は、複数の教員などで構成されるこの研究会で検討し、特色など研究会の目的の趣旨に沿った学校や施設などを候補とする。今回の訪問は夏島先生(仮名)。

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